モデリング手法

OPNET Modeler は、実ネットワークのトポロジ・構成を階層的に関連付けするエディタ群からできています。
それぞれ専用の編集ツールを用いることにより、効率的に作業を進めることができます。

ネットワーク・エディタ
ネットワークのトポロジを定義します。

プロセス・エディタ
ノードを構成するプロトコルやアルゴリズム、キューイング方式などの処理を定義します。

ノード・エディタ
ネットワーク上の装置(ノード)の構造を定義します。

リンク・モデリング
ノード間リンク特性を、「トランシーバ・パイプライン」と呼ばれるモジュール群で定義します。

Modeling


 ネットワーク・エディタ

ネットワーク・エディタは通信ネットワークのトポロジを画面上に定義します。ネットワークは、ノードとリンクオブジェクトから成り、各オブジェクトはダイアロ グボックスでパラメータ設定(属性変更)することができます。エディタ上のオブジェクトパレット(用途別にグループ化されたオブジェクト群)からノード (機器モデル)やリンク(回線モデル)をドラッグ・アンド・ドロップしてネットワークを構築します。ネットワーク構築には、自動インポートや定型トポロジ 作成機能を使用することもできます。
また、ネットワークトポロジにはOPNETに標準装備された豊富なモデルライブラリの中からオブジェクトを使用したり、提供されるモデルをカスタマイズしたユーザー独自のノードやリンクモデルを使用することも可能です。
ネットワーク・エディタでは位置情報を管理しておりますので、有線およびモバイル/無線の両ネットワークそれぞれの物理特性に応じたシミュレーションを実行し、結果に反映させることができます。

主な機能特長
  • ネットワークのトポロジをグラフィカルに定義します。
  • 背景にグリッドや地図を表示できますので、ノード間の距離も正確に定義します。
  • ひとつの拠点をサブネットワークとして、大規模ネットワークを階層化して定義します。

 ノード・エディタ

ノード・エディタはネットワーク・デバイスやシステムのアーキテクチャを「モジュール」と呼ばれる機能ブロック、およびモジュール間のデータフローを描写する ことによって再現します。各モジュールはノード内でそれぞれに与えられた機能を処理し、他のモジュールとの間でパケットの送受信を行います。 モジュールはアプリケーション、プロトコル層、および物理ソースが、その分担に応じて、それぞれ、バッファ、ポート、およびバスなどに対応します。また それらのモジュールはプロセス・エディタで表現されたプロセス・モデルを忠実に実行します。

主な機能特長
  • 機器内部のハードウェアおよびソフトウェア構造をモジュール化し、データフローダイヤグラムとしてグラフィカルに定義します。
  • レイヤモジュールを置き換えることにより、異なる方式の比較検討も簡単に行うことができます。
  • TCP/IPやATMなど標準的なプロトコルをサポートしたHUB、スイッチ、サーバー、端末などのモデルも用意しています。

 プロセス・エディタ

プロセス・エディタは強力なFSMアプローチ(Finite State Machine)によって、あらゆるレベルの詳細なプロトコル、リソース、アプリケーション、アルゴリズム、キューイング・ポリシーの実装できます。プロ セスの進行状況に応じた、イベントの状態と遷移がGUIで作成されます。 各プロセス・モデルの処理は、プロトコル・プログラミング用に設計された豊富な関数ライブラリを利用し、C/C++コードで構成されます。 各処理では、個々の状態変数の定義や、各ライブラリを呼出こともできますし、プロセス管理のように親子関係をもたせることもできます。 これらにより、TCPやATM等のようにあるリソースやセッションを管理するプロトコル仕様の実装を非常に簡素化しています。

主な機能特長
  • IEEEやITUなどの規格を正確に反映したプロトコルモデルが多数提供されています。
  • 標準手法の状態遷移図で記述した仕様をそのまま図式化でき、効率よくモデル作成を行うことができます。
  • 各状態処理やイベント定義も、350種類以上のシミュレーションライブラリ関数を使用して簡単に記述することができます。

 リンク・モデリング

リンク特性は、「トランシーバ・パイプライン」と呼ばれるモジュール群で定義します。有線リンクで4段階、無線リンクで は13段階にわたるステージを提供しており、ノード間を流れるデータはこのトランシーバ・パイプラインの各ステージを経て伝送されます。
標準トランシーバ・パイプラインの各ステージは、C言語のソースコードが提供され、カスタマイズを簡単に行うことが可能です。

主な機能特長
  • 3次元の移動体の伝播をダイナミックに考慮
  • 衝突による干渉、ビットエラーなどを計算
  • アンテナパターンやアンテナの向きなども考慮した減衰